目次

1.IPSA新着情報/心理学ニュース
2.研修会・講習会・ワークショップ等のお知らせ
3.学会年次大会情報
4.新しい心理療法、心理検査に関する情報
5.その他公認心理師に関する情報

1.IPSA新着情報/心理学ニュース

(1-1)日本心理学会が、「公認心理師の会」を設立することが明らかになりました(2019年11月1日)。

参照URL= https://cpp-network.com/
公益社団法人日本心理学会および公認心理師養成大学教員連絡協議会が後援する団体であるとのことで、これは日本臨床心理士会が日本公認心理師協会になるものとは別団体です。

その昔、日本臨床心理士会から日本心理臨床学会が生まれ、日本心理臨床学会がより勢力を持つようになりました。様相は少し異なりますが、早い段階で2団体ができるということは、今後さらなる公認心理師を巡る動きが活発になることが予想されます。
国際心理支援協会は、この動きでどちらかに一方に寄ることは考えておりません。国際心理支援協会では、あくまで公認心理師/臨床心理士が社会で活躍できるように、また良質な心理支援を一般の方が受けやすいように、今後も国内外での活動を行っていく予定です。

(1-2)【再出】公認心理師試験の合格発表は、 平成30年11月30日(金)です。

あと1か月をきりましたね。今後も現任者講習会含め、様々な公認心理師に関する情報が出てくることが考えられます。その際にはこちらのメルマガでお伝えしていけたらと考えております。

2.研修会・講習会・ワークショップ等のお知らせ

(1-1)オープンダイアローグについて

オープンダイアローグは、家族療法から発展したアプローチのひとつですが、最近書店でもよく見かけるようになってきました。統合失調症をはじめとした様々な問題、精神症状、人間関係の悩みへ有効なアプローチとされています。
その特徴的な方法から、日本では実践が難しいのではないか?という声が多く聞かれますが、日本の文化や制度、臨床に合う形でオープンダイアローグのエッセンスを用いることは可能だと考えられます。

これまで、イタリアやイギリス、フィンランドなどでしか英語やフィンランド語での公式トレーニングが行われていませんでした。この度、弊法人の浅井がオープンダイアローグの公式トレーナー(アジアでは初)となったため、2019年度以降にトレーニングコースなどを実施していくことを見越して、まずは以下のような1000円の入門セミナーを設置いたしました。本セミナーにご参加いただいた方には、トレーニングコースを希望される際に優先的に配慮させていただく予定です。

オープンダイアローグのエッセンスを活かし、日本での個人臨床・家族臨床・地域臨床、そして日常の人間関係をよりよくしていきませんか?
以下に募集案内をお知らせいたしますので、ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。

(1-2)【再出】オープンダイアローグ セミナーのお知らせ

フィンランドと日本でのオープンダイアローグの違い
-日本でのオープンダイアローグ可能性を拡げるために-

場所・日時:
[東京] 日時:12月16日(日)13時開場、13時半~16時半
場所:フォーラムエイト(東京都渋谷区道玄坂2-10-7)
定員:180名(着席可能人数)
 
[大阪] 日時:12月2日(日) 13時開場、13時半~16時半
場所:国際心理支援協会内(大阪府大阪市北区西天満6-2-14-602)
定員:60名(人数大幅超過の場合、場所変更の可能性あり)
 
料金:両会場ともに1,000円
演者:浅井伸彦(一般社団法人国際心理支援協会)

申込み方法:
東京 https://ws.formzu.net/fgen/S48835210/
大阪 https://ws.formzu.net/fgen/S87263724/

[概要] フィンランドの西ラップランド地方で、急性期の統合失調症のケアを中心として行われ続けているオープンダイアローグ。オープンダイアローグを教えるトレーナーを養成するためのトレーニング(フィンランド)においても、日本だけでなく、それぞれの国の事情や文化に応じた形で取り入れていくことが大切とされています。

当然、フィンランドと日本における精神医療システム、各種法制度、福祉サービス、その他資源の活用の仕方や国民の認知は大きく異なり、「フィンランド人と日本人の国民性は似ている」とされながらも、当然異なる部分も多く存在します。では、日本においてどのような形でオープンダイアローグそのもの、あるいはオープンダイアローグの秘訣を医療や福祉、心理支援の中に取り入れていけるのでしょうか。

演者である浅井は、2016年12月から始まったオープンダイアローグのトレーナーズトレーニングの課程を2018年9月に修了しました。その課程で行ったオープンダイアローグにフィンランド-日本の国別比較調査を用いて、ダイアローグに対する捉え方の違いをお伝えし、来年度以降での認定オープンダイアローグトレーニングについてご紹介をしていきたいと考えています。

(2-1) マインドフルネスセミナーについて

マインドフルネスという言葉は、今では心理臨床界隈だけではなく、ビジネス界隈や医療領域、福祉領域、教育領域など様々な場面で聞くようになりました。
ですが、マインドフルネスといっても、なかなか掴みどころのないものですので、「いまいちマインドフルネスって何かわからない」「マインドフルネスはわかってきたけど、臨床にうまく活かせない」「せっかくだから自分自身やクライエントの予防にも使いたいけど、具体的にどうすればいいかわからない」といった方が多いように思われます。最近は色々な方がワークショップを行っているため、質もバラバラになってしまい、マインドフルネスに対する誤解も生まれてきています。

本セミナーではそのような誤解を払拭し、実際に「使える」マインドフルネスを知っていただく機会をご提供できたらと考えております。
今回は特別に1000円(パーティー参加の場合は別途1000円必要)でご参加いただけるようにいたしましたので、この機会をお見逃しなく!

2019年度以降では、マインドフルネスの集中トレーニングコースを設置することを検討しています。本セミナーにご参加いただいた方には、トレーニングコースをご希望される際に優先的に配慮させていただく予定です。

マインドフルネスを学んで、日々の臨床をよりよいものとし、抑うつや不安の改善だけでなく予防にも取り組めるような臨床家へ、また日々の臨床家自身の抑うつや不安からも離れてみませんか?

特長
・マインドフルネスって何?マインドフルネスへの理解が深まる!
・マインドフルネスを臨床にうまく活かすコツが学べる!
・治療だけでなく予防もできるセラピストの心得を知れる!

ご参加いただいた方には、弊法人で2019年に開催するマインドフルネストレーニングの10%割引チケットをご進呈いたします。

以下に募集案内をお知らせいたしますので、ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。

(2-2)【再出】「マインドフルネス認知療法ワークブック: うつと感情的苦痛から自由になる8週間プログラム」出版記念講演&出版記念パーティー

マインドフルネスを心理臨床に活かすコツ
~抑うつや不安をしっかり予防できるセラピストになるために~

演者:小山秀之 (わかやま心理教育サポートセンター/奈良大学)
日時:1月20日(日)14時半開場、15時~17時半
その後パーティー 18時~20時半
場所:国際心理支援協会(大阪市北区西天満6-2-14-602)
料金:1000円(講演会のみ)、2000円(講演会とパーティー参加)
お申込み方法:
https://ws.formzu.net/fgen/S39093676/

[概要] 近年、「マインドフルネス」という言葉は、臨床領域だけでなく様々な領域で使用されています。臨床領域のマインドフルネスアプローチとして有名なものに、疼痛性障害等に有効とされているジョンカバットジンの「マインドフルネストレス低減法」と、再発をくり返すうつ病患者のために開発されたティーズデイルらの「マインドフルネス認知療法」があります。
私は認知行動療法を軸とした心理臨床家ですが、その後、うつ病や不安症を抱えた休職者や離職者を対象としたマインドフルネスプログラムをいくつかの公的機関や企業等でさせていただく機会が得られました。マインドフルネスは、単なる知識の習得によって理解できるものではなく、体験を通じてそこからの気づきを通じて理解することが大切です。私の場合は、前田泰宏教授(奈良大学)と関西マインドフルネスアプローチ研究会をともに立ち上げ、エクササイズの体験を参加者達とシェアする機会が得られました。このような場はとても貴重でした。
さて、この度ご縁があって、2018年9月にティーズデイルらの「マインドフルネス認知療法ワークブック: うつと感情的苦痛から自由になる8週間プログラム」を、北大路書房から監訳者の1人として出版することができました。
この本の最大の特長は、自宅でもプログラムに参加しているような臨場感を得られることです。2017年にはオックスフォードマインドフルネスセンターの教師養成トレーニング(module 1)を修了しました。出版したワークブックはこのトレーニングの教科書でもあります。
今回は出版記念と題して、まだまだ学びの過程にある私ですが、皆様とともにマインドフルな体験をシェアできれば幸いです。

上記2つの講演会につきまして、現在お申込みを承っております。何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。

3.学会年次大会情報

2019年度に行われる第38回日本心理臨床学会は、2019年の公認心理師試験が9月前後に行われる可能性を考えて、2019年6月6日~9日(木曜~日曜、パシフィコ横浜)に行われることへと変更がなされましたが、現時点では未だ厚生労働省や日本心理研修センターからは、2019年第2回公認心理師試験の日程は公表されておりません。

とはいえ、多くの方が参加するであろう日本心理臨床学会では、すでに自主シンポジウムの締切はなされ(抄録締切はまだ)、さらに一般演題やポスター発表などの締切も迫ってきました(2018年11月15日締切)。発表をご予定されている方はお忘れのないように、早めにお申し込みくださいね。国際心理支援協会からも、自主シンポジウムを2019年6月6日に行うことになっております。

タイトルは以下のとおりです。
「新しい潮流からの対人援助を再考する-マインドフルネスとオープンダイアローグは臨床で使えるのか-」

日本心理臨床学会には、臨床心理士や、臨床心理の大学院生等しか参加ができませんが、ご参加される方はぜひお立ち寄りください。公認心理師も今後、学会大会への参加資格を得られるようになっていくのではないかと予想されます。

4.新しい心理療法、心理検査に関する情報

世の中には、統合的心理療法という言葉と、折衷的心理療法という言葉がありますが、どのように異なるのでしょうか。
あくまで1つの見方でしかありませんが、統合的心理療法は複数の心理療法をひとつの心理療法の体系として行えるように「統合」してひとつにしたものであり、折衷的心理療法とは、複数の心理療法の良いところどりをして、「折衷して組み合わせた」ものといえるでしょう。
ただ、統合的心理療法にしても、折衷的心理療法にしても、疑問が残るのは「”どの心理療法とどの心理療法を”、また、”どのように”統合(または折衷)しているのか」ということです。世界には1000以上の心理療法が存在するとも言われていますので、全てをマスターした人が心理療法を完全な形に最適化しているとは考えられませんし(そもそも1つをしっかり学ぶにも時間がかかる)、そういった最適化された心理療法があると仮定しても、それを後から学ぶ心理臨床家が全員、最適化されたものを使いこなせるというのにも無理があります。
多くは、主流とされている心理療法(精神分析的、人間性、認知行動)をメインに作られていると思われますが、本来の意味で考えると「統合」や「折衷」ということは、すべての臨床家がそうしていると考えられますし、自分自身のパーソナリティや能力、知識に最適化させていくことが大切なのではないでしょうか。
今後、このような各臨床家が、持てる力を活かしきれるような方法を探し見つけていけるような研修会ができればと考えています。

5.その他公認心理師に関する情報

【再出】
今後の現任者講習会の開催については、年末年始あたりに何らかの新しいお知らせができそうです。
現任者講習会自体は(いずれの実施団体の開催も)来年2月3月以降になることが予想されますので、ご承知おきのほどよろしくお願いいたします。

【あとがき】
紅葉といえば、モミジ、カエデ。
その二つは、葉への切れ込みの深さ等で見分ける方法があるようですが、おどろくことに、植物分類上ではどちらもカエデ科カエデ属。区別はしないようですね!