ハーレーン・アンダーソン(Harlene Anderson)3日間ワークショップ
家族療法から社会構成主義の考え方を導入して発展した「コラボレイティヴ・アプローチ(Collaborative approach)」、あるいは「コラボレイティヴ・ダイアロジック・プラクティス(Collaborative-dialogic practice)」とも呼ばれるアプローチの創始者の一人であり、Houston Galveston InstituteとTaos Instituteの協働創始者であるHarlene Anderson(ハーレーン・アンダーソン)を日本に招聘し、2025年10月に東京にて3日間ワークショップ(WS)を行います。
コラボレイティヴ・アプローチは、社会構成主義の考え方を背景とし、1980年代後半〜1990年代後半にかけてHarold GoolishianとHarlene Andersonに提唱されました。最近ではOpen Dialogue Pacificでトレーナーとしても活躍し、また国際的に活動しています。オープンダイアローグのエッセンスを学ぶには、コラボレイティヴから学ぶことが非常に有益といえるでしょう。本WS内では、コラボレイティヴの基礎から学び、またハーレーン自身がデモセッションを行ったり、他のダイアローグパートナーらとダイアローグ形式でセッションを行います。
また、本WSの見どころとしては、2016年〜2018年にフィンランドで行われた「第1回オープンダイアローグ国際トレーニング」での仲間同士であるオープンダイアローグ国際トレーナーら(アリータ、キャシー、浅井)と、アリータの夫かつOpen Dialogue Pacificの共同創始者であり、精神科医のフレッチが、ハーレーンとともにダイアローグのデモセッションを行います。コラボレイティヴに興味のある方にも、オープンダイアローグに興味のある方にも刺激的な3日間となることでしょう。
今後、本ワークショップに参加された方々に向けて、アメリカからオンラインでの連続講座もご案内できるようハーレーンと話し合っています(参加は任意/要別料金)。
【日時】
1日目:2025年10月17日(金)19時〜21時(2時間)
「コラボレイティヴ・ダイアロジック・プラクティスの導入」
Introduction to Collaborative-dialogic practice
2日目:2025年10月18日(土)10時〜17時半(6時間程度、昼休憩1時間半)
「コラボレイティヴ、そしてオープンダイアローグ(ハーレーン・アンダーソンによる模擬セッション、5人のオープンダイアローグ・トレーナーによる模擬セッションを含む)」
Collaborative and Open Dialogue approach (incl. demo of collaborative practice by Harlene Anderson)
3日目:2025年10月19日(日)10時〜13時(2時間半程度、途中休憩)
「ダイアローグを通じて協働しよう!」
Collaborate altogether through dialogue!
【アーカイブ動画の有無】
2025年10月19日のワークショップ終了後、1ヶ月以内に動画編集を行い、編集が完了し次第、配信を開始する予定です。配信開始より1ヶ月間の配信をいたします。
【場所】ビジョンセンター新宿マインズタワー
【講師】Harlene Anderson(ハーレーン・アンダーソン)
【サブ】Alita Taylor, Fletcher Taylor, Catherine Thorley, 浅井伸彦(ともにオープンダイアローグ・トレーナー)
【英日通訳/翻訳】あり。
【受講料】
・現地(東京) or オンライン(Zoom)参加:40,000円(税込)※Zoomリンク付き、アーカイブ付き。
・アーカイブのみ:35,000円(税込)
【定員】東京現地参加100名(先着順)、Zoom497名。アーカイブのみ:定員なし。
【お申込み】ハーレーン・アンダーソン3日間ワークショップお申し込みフォーム
【申込締め切り】2025年10月5日24時
※ただし、会場参加をご希望される方は先着順ですのでご注意ください(お申込みが100名を超える場合、Zoomでの参加のみ、あるいはキャンセル待ちリストに入ります)。金曜日が現地参加できない方は、その日のみZoom参加も可能です。
【概要(Harleneからのメッセージ)】
心理療法や家族療法の多くのアプローチは、その創始者の日々の実践や文脈に影響を受けています。協働的・対話実践(Collaborative-Dialogic Practice)についても、まさにその通りです。私の最初の訓練は伝統的な心理学にありました。初期の経験としては、大企業の人事部(当時は「HR(Human Resources)」ではなく、「人事(Personnel)」と呼ばれていました)で働いたこと、その後はアメリカ政府の「貧困との戦い(War on Poverty)」と呼ばれるプログラムに携わったことがあります。その後、小学校でスクールサイコロジストとして、また地域に根ざしたメンタルヘルス・プログラムで一般的な精神保健に関するワーカーとして勤務しました。
1970年代初頭、医科大学の小児心理学科に職を得た際に、偶然、家族療法と出会いました。私はそれを「探していたと気づいていなかったものを発見した」と表現しています。家族療法のトレーニングプログラムに参加し、新しい学びがそれまでの自分の実践経験を新しい視点から理解させてくれることにすぐに気づきました。その中でも特に重要だったのは「複数の現実」と「文脈」という概念でした。(ここでは例を示す予定です。)このトレーニングプログラムの主要な指導チームは、私に一つのギフトを与えてくれました。それは「リスクを取ること」と「多くの心理療法の伝統に対して畏敬の念を持ちすぎないこと」という価値観です。彼らは、患者本人だけでなく、その家族や日常生活に関わる大きなシステムやネットワークの成員と一緒に取り組むという実験をしていました。(ここでも例を示す予定です。) 彼らの経験が変化するにつれて、クライアントについての考え方や働きかけ方も変化しました。
振り返ってみると、彼らの実践は、自らの経験から学んだことを取り込む形へと変化していきました。また、そのチームは、従来の心理学や精神医学に関する文献やトレーニングでは、自分たちが行っていることを言い表せる言葉が存在しないということにも気づきました。そのため、彼らは他の学問分野の文献を参照するようになりました。さらに時事に関することや、クライアントが持ち込む専門知識にも注意を払いました。彼らは「反省的・省察的な学習者」だったのです。これは、自分の仕事を振り返り、立ち止まり、考えるための時間を取り学び続ける者のことを意味しています。クライアントからのフィードバックや同僚との会話から学んだことに注意を払うということです。また、クライアントや同僚から問いかけられたことや、困難なことを受け入れ、自分自身をも問い直すことも含まれています。
本ワークショップ(WS)では、長年にわたり私たちの実践に影響を与えてきたさらなる要素の例を紹介します。また、私たちの実践や概念的枠組みが変化するにつれて、その実践に与えた名称もどのように変わっていったのかを示します。この2つは互いに影響を与え合ってきました。
要するに、協働的・対話実践(Collaborative-Dialogic Practices)は、数十年間にもわたって哲学や自然科学・社会科学から学んだことに、大きく影響を受けながら形作られてきました。参加者のみなさんには、協働的対話の歴史と基本を学んでいただきたいと思います。なかには、その基盤となっている概念的枠組みの簡単な紹介と、その枠組みが哲学的立場(セラピストの姿勢と行動)にどのように影響を与えるかについても含んでいます。
今日、この実践は「協働的・対話実践(Collaborative-Dialogic Practices)」と呼ばれていますが、私たちの世界の急速な変化や混乱、そして私がみなさんと共に過ごす経験によって、その名称は今後また変わっていくでしょう。私にとって、この実践はクライアントとセラピストの「人間らしさ」を尊重し、維持することを大切にしているのです。
私自身の歩みは、今日の私を形作ってきましたし、これからも私を形作り続けることでしょう。私は今後も「反省的・省察的な実践者」であり続けたいと考えています。だからこそ、私や同僚たちがこの実践に与えてきた名称は、時代とともに変わってきたのです。
本WSでは、まず「みなさんがなぜここに来られたのか」ということを少し学んでいくところから始めたいと思います。共通の主な参加目的については互いに合意できるかもしれませんが、そのことが各々の本当に学びたいと考えていることとは限りません。私はみなさんの質問やコメントを真摯に受け止め、それに応えていきたいと思います。また、協働的・対話実践に関するスライドの配布資料や論文、参考文献一覧もお渡しいたします。できる限りみなさんに応じられるような内容を提供したいと思います。
皆さま、本WSにどうぞご参加ください。
今回、東京でみなさんとご一緒できることを楽しみにしています。
Harlene Anderson
Houston Galveston Institute, Taos Institute
【スピーカー、ダイアローグパートナーの紹介】
◎ハーレーン・アンダーソン(Harlene Anderson)
Houston Galveston Institute共同創始者、Taos Institute共同創始者。Harold Goolishianとともにコラボレイティヴ・アプローチ(現コラボレイティヴ・ダイアロジック・プラクティス)を開発。現在も精力的に、国際的な講演活動やトレーニングを行っている。2021年には、ヤーコ・セイックラ、トム・エリク・アーンキル、ケネス・ガーゲンとともにDICO(Dialogue International Conference Online)に登壇した。
日本語に翻訳されている主な著書に、「会話・協働・ナラティヴ アンデルセン・アンダーソン・ホワイトのワークショップ(小森・奥野・矢原訳,金剛出版,2015)」や「協働するナラティヴ グーリシャンとアンダーソンによる論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」(アンダーソン・グーリシャン著,野村著/訳,遠見書房,2013)」がある。
◎アリータ・テイラー(Alita Taylor)
アメリカのオープンダイアローグ国際トレーナー、Open Dialogue Pacific共同創立者。
MFT(結婚・家族療法士)として長年の臨床経験を積み、精神医療において「患者本人と家族、そのかかわる人々たちの声(ポリフォニー)を尊重する対話」を大切にしている。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングで、キャシーやNoble(Nobu,浅井伸彦)らと出会う。フレッチは彼女の夫で精神科医。
◎フレッチャー・テイラー(Fletcher Taylor, 文中ではフレッチ(Fletch)と表記)
アメリカの精神科医、Open Dialogue Pacific共同創立者、ダイアローグの実践家。専門分野は不安障害、うつ病、トラウマ関連、学習障害など。アリータの夫であり、対話的アプローチをアメリカで、また国際的に普及することに貢献してきた。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングの関係で、キャシーやNoble(Nobu,浅井伸彦)らと出会い、今でも互いに交流がある。
◎キャサリン・ソアリー(Catherine Thorley, 文中ではキャシー(Cathy)と表記)
英国オープンダイアローグ国際トレーナー、EMDR認定コンサルタント。元々システム論的家族療法の専門家で、NHS(National Health Service:イギリスの国民皆保険制度)で長年従事してきたが、現在はイギリスでEMDRのコンサルタントやオープンダイアローグのトレーナーとして、スーパーヴィジョンを中心に関わっている。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングで、CathyやNoble(Nobu,浅井伸彦)らと出会う。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングの関係で、アリータやNoble(Nobu,浅井伸彦)らと出会い、今でも互いに交流がある。
◎浅井伸彦(Nobuhiko ASAI, English nameとしてNoble)
一般社団法人国際心理支援協会 代表理事、株式会社Cutting edge 代表取締役、認定専門公認心理師、臨床心理士、保育士、オープンダイアローグ国際トレーナー。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングで、CathyやNoble(Nobu,浅井伸彦)らと出会う。2016年〜2018年に行われたフィンランド(エスポー)での第1回オープンダイアローグ国際トレーニングの関係で、キャシーやアリータ、その夫のフレッチらと出会い、今でも互いに交流がある。
ほか、参加者の皆様方もコラボレイティヴで対話的な空間を形作っていく一員です。







